民泊サービスやカーシェアリングなど、幅広い領域で注目されているシェアリングエコノミービジネス。2020年には、1,000億円を超えるとの予測も示されているほど、市場が急成長しています。

そこで、本コラムではシェアリングエコノミービジネス市場が急成長した理由を解説していきます。

成長著しいシェアリングエコノミービジネス市場

インターネットを通して、モノ・ヒト・カネ・乗り物・空間などを共有するシェアリングエコノミービジネス。世界的な民泊ブームを牽引している「Airbnb(エアー・ビー・アンド・ビー)」や、CtoCでの売買を行う場として多くのユーザーを獲得している「メルカリ」など、国内においてもすでに様々なサービスが提供されています。

株式会社矢野経済研究所の調査によると、シェアリングエコノミービジネスは2017年度において前年度比132.8%の716億6千万円という市場規模でした。それが、2020年度には1,129億5千万円、2022年度には1,386億1千万円に達すると予測されています。

では、なぜシェアリングエコノミービジネス市場は、これほどまでに急成長しているのでしょうか?

※出典:株式会社矢野経済研究所「シェアリングエコノミー(共有経済)サービス市場に関する調査(2018年)2018年9月12日発表」

シェアリングエコノミービジネス市場が急成長している理由

シェアリングエコノミービジネス市場が急成長している理由は、大きく3つあります。

その1:景気後退による消費マインドの低下

高度経済成長からバブル期まで、国内経済は急激に拡大。大量生産・大量消費の時代において、富裕層だけではなく、中流層も、不動産や自動車といった高額資産など含めて「所有」することが当たり前となりました。

しかし、バブル崩壊後、国内経済は長引く不況に陥ったことはご存知の通りです。その過程で、消費者の財布の紐は固くなり、必ずしもモノを「所有」することを重要視せず、必要に応じて「共有」、つまりシェアリングすることで支出を抑えようと考えるようになったのです。

具体的には、まずは所有する(=購入する)場合には多額の費用が必要となるモノやサービスで、シェアリングという考え方が浸透し始めました。たとえば、自動車やオフィスなどです。いずれも、今日ではカーシェアリングシェアオフィスといったサービスとしてすでに幅広く認知されています。

そのほか、最近では高級ブランドのアパレル商品をシェアリングするサービスも登場しており、流行に敏感な女性を中心に人気を集めています。

その2:スマートフォンの普及による“お手軽な”サービスの実現

シェアリングエコノミービジネス市場が拡大した理由としては、スマートフォンの普及も挙げることができます。

今日、多くの利用者を獲得しているシェアリングサービスの多くはオンラインサービスとして提供されており、スマートフォンアプリ上で簡単にアカウント作成やサービス利用手続きを行うことができます。たとえば、カーシェアリングサービスとして広く知られている「タイムズカープラス」では、会員登録はもちろん、実際の自動車利用の手続きなどを、窓口などに出向くことなくスマートフォン上で完結することが可能です。

「タイムズカープラス」だけではなく、多くのシェアリングサービスはスマートフォンアプリ上でアカウント作成から決済までを完結することが可能です。このような手軽さを実現できたからこそ、シェアリングサービスの利用が拡大し、市場そのものが急成長したと言えるでしょう。

その3:スキル・資格を使ったサービス提供への注目度の高まり

シェアリングエコノミービジネス市場には、モノだけではなく、自分自身のスキルや資格を使ったサービスの提供も含まれます。たとえば、家事代行や託児サービスが代表的な例です。そのほか、ウェブデザインやシステム開発、士業のように高い専門性や資格を求められるサービスも該当します。

最近では、働き方の多様化によって、在宅勤務を希望する主婦層や、副業による収入アップを期待するビジネスパーソンが増えつつあります。こうした中で、スキル・資格などを使ったサービス提供という領域がシェアリングエコノミービジネスの成長をさらに加速させたと考えられます。

安全な決済がシェアリングエコノミービジネスを加速させる

このように、大きく3つの理由からシェアリングエコノミービジネス市場は急成長しました。今後の成長も期待されているので、チャンスの大きな市場と言えるでしょう。

一方で、シェアリングエコノミービジネスを展開するうえでは、取引の信頼性を高めることが課題となります。

特に、「Airbnb」などのようにシェアするものを提供する側と提供される側の双方が一般消費者であるCtoCのプラットフォームにおいて、お金のやり取りがトラブルのもととなることは想像に難くありません。裏を返せば、お金のやり取りを含む取引の信頼性を高めることが、プラットフォームそのものへの信頼につながります。

前述の通り、一般的にシェアリングサービスはオンラインで提供されているため、クレジットカードや電子マネーなどを用いたキャッシュレス決済への対応が必要となります。そのため、顧客が安全に、安心して利用できるキャッシュレス決済の存在が、シェアリングエコノミービジネスの展開には欠かせないと言えます。