近年、民泊やCtoCフリマアプリなどが市場に受け入れられ、シェアリングエコノミービジネスが急速に社会に浸透し始めています。

本コラムでは、そんなシェアリングエコノミービジネスについて、5つの成功事例をご紹介します。

シェアリングエコノミービジネス5つの成功事例

その1:メルカリ

【企業情報】
東証一部上場、株式会社メルカリが運営。2013年にサービスを開始し、2018年には世界合計1億800万ダウンロードを突破。日本のみならず、海外でも規模を拡大している。

【ビジネスモデル】モノのシェア
個人間で不要なモノを売買するCtoCフリーマーケットプレイスとして登場。各アイテムページのコメント欄では、出品者と購買検討者がオープンに交渉することが可能で、「いくらまで下げられますか?」というような、リアルのフリマでも行われるような値段交渉をアプリ上で実現しています。また、取引後に双方を評価しあう制度による透明性の高さも魅力のひとつです。

宅配会社と提携しているため、お互いの個人情報をやり取りせずに配送まで完了できるという工夫も、匿名性の高いプラットフォームにおける信頼性の獲得につながっています。

その2:ココナラ

【企業情報】
株式会社ココナラが運営。2012年にサービス開始し、2017年には過去3期にわたる決算の売上高にもとづく1,252%の成長率を記録している。

【ビジネスモデル】ヒト(スキル)のシェア
通称「スキルのフリーマーケット」。ヒトが持つ知識やスキル、経験を気軽に売買できる日本最大級のスキルシェアサービスです。

似顔絵作成、恋や趣味などのお悩み相談、占いなどのライトなものから、デザインやプログラミング、楽曲制作、士業などのビジネス色が高いものまで、バラエティに富んでいます。

発注者(仕事を依頼する人)が要件を提示し、受注者(仕事を受ける人)がそれに応じる仕組みのクラウドソーシングとは異なり、「受注者が要件を提示する→それを希望する人が発注する」というスタイルなので、割に合わない仕事を受けてしまうことも少なく、要件の擦り合わせが容易である点が大きな特徴です。

その3:タイムズカープラス

【企業情報】
タイムズ24株式会社が運営。2009年に前身となるサービスが開始。2018年には、会員数100万人突破、売上高は350億円に。

【ビジネスモデル】乗り物のシェア
全国のステーションに点在する2万台以上の車を、スマートフォンやPCから予約するだけで24時間、いつでも使いたい時に借りることができるサービスです。

レンタカーよりもリーズナブルというメリットから、維持費の高さから車を購入しない若者を中心に人気を集めています。また、貸す側にとっても、ステーションを設置することで、駐車場や自動車などの遊休資産を活用できるというメリットがあります。

その4:ラクスル

【企業情報】
2018年東証マザーズに上場、ラクスル株式会社が運営。2013年にサービス開始。

【ビジネスモデル】リソース(労働力・技術)のシェア
提携の印刷機が稼働していない時間を活用することができる、印刷機のシェアリングプラットフォーム。注文をする側にとっては、サイト上から気軽に申し込むことができる上に、高品質かつ低価格で印刷することができます。一方、印刷会社にとっては、顧客と直接やり取りすることなく、受注数の拡大が見込めるというメリットがあります。

また、同社は、物流のシェアリングサービスとして『ハコベル』も展開。2019年2月には、貨物事業者や大手物流荷主向けに『ハコベルコネクト』の提供を開始するなど、物流業界全体の課題であるドライバー不足の解消にも取り組んでいます。

その5:スペースマーケット

【企業情報】
株式会社スペースマーケットが運営。2014年にサービス開始。

【シェアするもの】空間のシェア
空いたスペースを時間単位で貸し借りすることができるプラットフォーム。カフェやイベントスペース、会議室やスタジオだけではなく、個人宅や映画館など、ありとあらゆる場所に対応しています。

貸し主は、スペースを「パーティー」「ロケ撮影」「民泊」など、あらかじめ目的別に設定できるため、意に沿わない活用を防ぐことができます。これは借りる側にとっても、目的に合ったスペースが探しやすいというメリットがあります。

千葉市や浜松市、美濃加茂市など、自治体が保有する公共施設の登録も進んでおり、地域課題の解決も期待されています。

「安心・安全」なプラットフォームであることが不可欠

ここまで紹介した5つの成功事例には、いずれも「取引をする双方にメリットがある」「安心して取引できる仕組みがある」といった共通項が見受けられました。これは、シェアリングエコノミービジネスを成功させるための秘訣と言えるでしょう。

一方で、すでに終了してしまったサービスも存在します。

例えば、家事代行シェアリング「DMM Okan」は、サービス提供者に対して依頼者の数が多すぎたため、利用者同士のマッチングが成立しにくい状況に陥りました。依頼者の需要に対応するためにサービス提供者を増やすことが難しかったことが一因となり、サービスは終了しています。

また、上述したココナラのライバルだったスキルシェアリング「Wow!me」も、サービス提供者を増やすことができずに終了しています。

すでに終了したサービスから考えると、シェアリングエコノミービジネスでは、いかにサービス提供者を増やしていくかという点が重要と言えるでしょう。そして、サービス提供者を増やすためには、そのプラットフォームが「安心・安全」であることが不可欠です。

利用者の安心・安全については、例えば民泊トラブルを解消するため法改正が行われるなど、政府レベルでもグレーな部分を排除する動きを見せています。市場参入を検討している企業においても、例えば決済面などで利用者がリスクを負わないような仕組みづくりが欠かせないでしょう。