2018年12月、「100億円あげちゃうキャンペーン」で一躍脚光を浴びたQRコード・バーコード決済サービスであるPayPay(ペイペイ)。読者の方にも、利用しているという方が多いのではないでしょうか?

そして、そんなQRコード・バーコードを用いた決済サービスは、実店舗だけではなく、ECサイトにも関係があることをご存知でしょうか?

本コラムでは代表的なQRコード・バーコード決済サービスを紹介しつつ、それらがECサイトにどのような影響を及ぼす可能性があるのかを考えます。また、集客面でのQRコード・バーコードの活用例もご紹介します。

実店舗での決済手段としてのQRコード・バーコード

このところ新たな決済手段として注目されるようになったのが、QRコードやバーコードです。国内では、QRコードやバーコードを利用した下記のような決済手段が運用されています。

主なQRコード・バーコード決済サービス

Amazon Pay

Amazonアカウントを使用した決済サービス。ECサイトなどでのオンライン決済に加えて、2018年8月にはQRコード・バーコードを用いた実店舗での決済にも対応しました。「Amazonショッピングアプリ」上でQRコード・バーコードを表示することで利用可能です。

楽天ペイ

楽天IDを持つ楽天会員が利用できる決済サービス。「楽天ペイ」アプリ上でQRコード・バーコードを表示することで利用可能です。そのほか、同アプリで利用店舗側が表示したQRコードを読み取ったり、利用店舗を選択して金額を入力して支払ったりすることもできます。

LINE Pay

LINEアカウントを持つLINEユーザーが利用できる決済サービス。オンラインでの個人間送金や決済に加えて、2018年にはQRコード・バーコードによる実店舗での決済にも対応しました。そして、後述するPayPay の「100億円あげちゃうキャンペーン」の終了翌日から、期間限定で利用額の20%を還元するキャンペーンを開始して話題となりました。

PayPay

ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社の合弁によって設立されたPayPay株式会社が運営している電子決済サービス。QRコードあるいはバーコードで支払うことが可能です。2018年12月4月から、全額ポイント還元を含む「100億円あげちゃうキャンペーン」を実施。多くのユーザーが集まり、わずか10日間で還元総額が100億円に達してキャンペーンが終了したことで、大きな話題となりました。

実店舗向けQRコード・バーコード決済サービスが、ECサイトに与える影響

このように、すでに様々なQRコード・バーコード決済サービスが登場しています。

そして、実店舗での新たな決済手段として認知されているこのようなサービスが、ECサイトでの決済にも影響を及ぼす可能性があります。

利用者からすると、実店舗でもECサイトでも、同じ決済サービスを利用できた方が、利便性が高く、ポイント獲得・利用といった面でもメリットです。実際、Amazon Payや楽天Pay、LINE Payといったサービスは、ECサイトなどのオンラインサービスでも利用することが可能です。また、PayPayについても、2019年からは、Yahoo!ショッピングやヤフオク!、LOHACOといった大手ECモールが対応することが予定されています。

以上を踏まえると、ECサイトの運営において、より多くの利用者を獲得するという側面から、実店舗での利用が進んでいるQRコード・バーコード対応の決済サービスを新たな決済手段として加える必要性が高まると考えられます。そのため、「QRコード・バーコードは実店舗向けだから、ECサイトには関係ない」と捉えるのではなく、決済手段に対する顧客ニーズを把握するためにも、ECサイト運営者もアンテナを張っておく必要があるでしょう。

集客手段としても注目を集めるQRコード・バーコード

QRコード・バーコードは、決済だけではなく、実店舗やECサイトへの集客手段としても利用されています。

ギネス

アイルランド発の世界的ビールメーカーであるギネスは、ビールを注ぐグラスとQRコードを組み合わせた斬新なキャンペーンを米国内で展開。

表面にQRコードを描いた特注のグラスを、複数のバーに配布。しかし、このQRコードは、グラスが空だったり、通常のビールを注いでも読み取ることができません。では、どうすれば読み取ることができるのか…。それは、ギネスの代名詞である黒ビールを注ぐこと。

そして、実際に黒ビールを注いでからQRコードを読み取ると、Facebook・Instagram・Twitter・Foursquare(※1)のいずれかでグラスを撮影した写真を投稿するように促されます。そして、実際にいずれかのSNSで写真を投稿すると、クーポンをダウンロードすることが可能になるという仕組みです。

※1位置情報などを利用した、米国初のSNS。

Emart(韓国)

韓国初の大型ディスカウントストアであるEmartは、ランチタイムの売上不振を解消するためにQRコードによる集客施策を実施。太陽の傾きによってできる影を使った巨大なオブジェ型のQRコードを店頭に設置し、QRコードを読み取った人にオンラインストアで利用できる割引クーポンを発行しました。この施策によって、オンラインショップ会員数の大幅増に成功したそうです。

ヨドバシカメラ

大手家電量販店のヨドバシカメラでは、ショールーミング対策にバーコードを利用。各商品の値札付近に記載されたバーコードをスマートフォンの専用アプリで読み取ることで、同社の運営するヨドバシ.comの商品ページが開くようにし、同サイトの集客力アップに成功しました。

ヨドバシカメラの取り組みは、こちらのコラムでも解説しているので、あわせてご一読ください。

QRコード決済市場が8兆円規模に!

今回ご紹介した通り、QRコード・バーコードは、すでに決済や集客といった面で積極的に利用され始めています。そして、この傾向はさらに加速すると予想されており、決済面ではQRコード決済市場が2023年度に8兆円規模に拡大するにバーコードを利用。各商品の値札付近に記載されたバーコードをスマートフォンの専用アプリで読み取ることで、との調査(※2)も示されているほどです。

そのため、前述した通り、ECサイトにおいても、今後はQRコード・バーコード決済サービスにも対応した決済サービスで支払う利用者が増えると考えられます。前述した通り、ECサイトを運営しているという方も、QRコード・バーコードの活用の最新事情についてアンテナを張っておくことが、ますます重要になっていくでしょう。

※2 出典:株式会社日本能率協会総合研究所による調査