加速する少子高齢化と人口減少により、生産年齢人口は年々減少しています。総務省の発表(※)によれば、2020年5月1日現在の生産年齢人口(15~64歳人口)は7,471万人。総人口が1億2,589万5,000人のうち、生産年齢人口は全体の6割以下となっています。

このことから、企業における人手不足は全業界共通の悩みとなりつつあります。こうした中で人材リソースを確保するには、離職率低下のための取り組みはもちろん、福利厚生面まで配慮して他社との差別化を図る採用戦略が求められます。

そこで本コラムでは、採用強化につながる一手として注目を集める「給与前払いサービス」について、その仕組みやメリットを解説していきます。

(※)総務省統計局 人口推計(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

働いた分の金額をすぐに受け取れる「給与前払いサービス」

◆「給与前払い」とは?

給与前払いは、働いた分を給料日より前に受け取れる制度です。「日払い・週払い」に近いスタイルですが、従業員の都合に合わせて引き出せる柔軟性が特徴です。

混同されがちな用語として「前借り」がありますが、これは「前払い」とは本質的に異なります。「前借り」は、従業員にとって借金で、事業者にとっては従業員に対する貸し付けとなる一方、「前払い」は実際に働いた分しか受け取ることはできません。

◆「給与前払い」が自社構築に向いていない理由

「給与前払い」の仕組み自体を自社で構築するのは、決して難しいことではありません。給与分の資金と従業員の要望に対応する窓口を用意し、適宜対応することで対応ができます。

しかし、前払いを要望する従業員の勤怠状況を確認しつつ、給与計算と振込もしくは現金手渡しといったタスクをこなすのは非常に手間がかかるため、従業員の人数によっては専従のスタッフが必要になります。また、従業員が少人数だとしても担当者の業務負担が重くなることに変わりはないでしょう。さらに、業種・業態によっては「給与前払い」に対応することで、キャッシュフローを圧迫するリスクも出てきます。

◆多様なサービスの共通項は、事業者側の負担軽減

このような事業者の課題を解消するため、最近では「給与前払い」そのものを代行するサービスも登場しています。

いわゆる「給与前払いサービス」は手数料を事業者側が負担するか、従業員が負担するかで大きく2つのタイプに分かれており、システム導入コストやランニングコストをすべて無料にしたうえ、前払い用の資金までサービス提供事業者側が立て替えるもサービスも登場するなど、利便性やコスト面でベンダーがしのぎを削っています。

サービスによって特徴は様々ですが、そのほとんどに共通しているのは事業者側の事務負担が軽減すること、そして給与計算など従来の経理フローを変えずに運用できることです。

店舗に「給与前払いサービス」を導入する3つのメリット

◆その1:離職率の低下が期待できる

店舗等において従業員が離職する原因のひとつが、他の仕事との掛け持ちです。現状の仕事との両立を前提とした副業ならばまだしも、急な出費が理由で日払い・週払いの仕事を掛け持ちする場合、従業員がより早く給与を手にできる仕事を優先するケースも少なくありません。

その点「給与前払いサービス」を導入することで、従業員が急な出費にも対応できるようになるため、離職率の低下が期待できます。

◆その2:求人応募数の増加が期待できる

前述した通り、急な出費があるときでも従業員が気兼ねなく自分の給与を引き出せることは、求職者の安心感の訴求につながります。「困ったときに親身に寄り添う」といった事業者の姿勢にもつながるため、求人広告の打ち出し方も幅を広げることができるでしょう。

業種・業態によっては、「日払い・週払い可」とストレートに訴求することが効果的なケースもあり、採用戦略において他社との差別化が可能となります。

◆その3:従業員の「信用」を守ることができる

「急にお金が必要だが、給料日はまだ先。前借りができるかどうかもわからない」

このような状況では、従業員が消費者金融からの借り入れを決断してしまい、雪だるま式に借金が増える可能性も考えられます。「給与前払いサービス」を用意しておけば、そうした従業員の「金融リスク」を未然に防ぐことができます。

「給与前払い」をきっかけに、業務効率化・生産性向上施策にも着目を

このように「給与前払いサービス」には人手不足解消につながるメリットがいくつもあります。そのうえ、こうしたデジタル化との親和性が高いサービスを導入することは、現状の店舗のワークフローを見直す良いきっかけになるでしょう。

冒頭で触れたように、生産年齢人口の減少により、今後は人材確保がますます難しくなります。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大のように、想定外の事態が将来起こりうるリスクも踏まえると、事業の持続的可能性を高めるためには、業務効率化・生産性向上の取り組みを進めていくことが欠かせません。

そして、とりわけ店舗においては決済まわりの業務を見直すことで、業務効率化・生産性向上を果たしている企業が少なくありません。特に、現金決済のみの店舗においてキャッシュレス決済を導入することによる効果は非常に大きいと言えます。

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