飲食店向けの政府支援策「Go To Eatキャンペーン」が2020年10月1日からスタートしました。店内飲食をメインとする店舗の場合、このキャンペーンに参加することで大きなメリットが得られる可能性があります。

そこで本コラムでは、キャンペーンの概要や実施期間・参加方法や、キャペーンをウィズコロナ・アフターコロナの経営戦略に生かす方法まで、飲食店が把握しておくべきポイントをまとめました。

新型コロナウイルスで甚大な影響を受けた飲食店

新型コロナウイルスの感染拡大は、多種多様な業界に影響を与えています。経済産業省の調べ(※1)では、その中でも「低下への影響が大きい」のは飲食関連業種であることが示されています。

まだ新型コロナウイルスが感染拡大していなかった2020年1月と比べて、飲食や観光などを含む「生活娯楽関連サービス」の伸び率は、3月の時点ですでにマイナス26.6%を記録しています。

緊急事態宣言が発令されていた4月、5月はさらに悪い状況で、それぞれマイナス50.8%、マイナス50.1%となりました。そして、この伸び率に対する影響度は、この3カ月間連続して1位が「食堂、レストラン、専門店」、3位が「パブレストラン、居酒屋」となっています(2位はホテル)。

このように冷え切った飲食需要を喚起するため、政府が立ち上げたのが「Go To Eatキャンペーン」です。その反応は上々で、10月1日からスタートしたポイント付与事業の利用者は、わずか半月でのべ1,000万人を突破しています。

(※1)経済産業省「経済解析室ひと言解説集」

「Go To Eat」とは?「プレミアム付食事券」「ポイント付与」の概要

「Go To Eatキャンペーン」は、感染予防対策に取り組みつつ営業を続ける飲食店と、食材を供給する農林漁業者を支援することを目的としたキャンペーンで、所管官庁は農林水産省です。

支援事業は2つあり、地域の登録飲食店で使える「プレミアム付食事券」と、オンライン飲食予約サイト利用による「ポイント付与」に分類されます。

このうち「プレミアム付食事券」は、販売額の25%を国が負担する仕組みです。12,500円の食事券を10,000円で購入できるため、25%のプレミアムが付いた食事券ということになります(※2)。各自治体(県単位がほとんど)が販売し、飲食店は利用者から食事券を受け取る仕組みとなっており、差額が発生してもお釣りは出さないルールとなっています。販売期間は2021年1月末まで、有効期限は2021年3月末までです。

一方の「ポイント付与」は、オンライン飲食予約サイトで予約・来店した利用者に、次回以降キャンペーン参加飲食店で利用できるポイントを付与する仕組みです。昼食時間帯は500円分、夕食時間帯(15時以降)は1,000円分で、1回の予約あたり10人分(最大10,000円分のポイント)を上限としています。

なお、後述する「錬金術」の影響で、10月8日から付与ポイント以下の飲食はキャンペーン対象外となっており、利用者は、昼食時間帯なら500円以上、夕食時間帯なら1,000円以上の飲食をする必要があります。ポイント付与は2021年1月末まで、ポイントの利用期限は2021年3月末までとなっています。

(※2)ほとんどの自治体は1,000円券、500円券の組み合わせで販売していますが、中には8,000円単位のところもあるため、詳しくは各地域のキャンペーン事務局にお問い合わせください。

飲食店が「Go To Eat」に参加するメリット・デメリット

飲食店が「Go To Eatキャンペーン」に参加する最大のメリットは、集客です。「プレミアム付食事券」「ポイント付与」とも、キャンペーン参加飲食店以外では、利用者はその恩恵を受けることはできないためです。

特に「ポイント付与」は、事前予約が条件となっているため、店舗側は食材やスタッフの手配をしやすくなります。また、電話予約ではポイント付与の対象とならないので、電話予約に対応する手間も減らすことができます。そのため、オンライン予約へシフトし、スタッフ数の最適化を図ろうとしている飲食店にとっては、変革の好機となるかもしれません。

ただ、現実にはキャンペーン関連の問い合わせを、参加店舗へ直接電話してくるケースも多いようなので、状況をにらみながらの対応となりそうです。

デメリットとして挙げられるのは、客単価の低下です。「プレミアム付食事券」はお釣りが出ないため、食事券の額面以下の金額で済ませようという心理が働きやすくなります。

また「ポイント付与」の場合には、支払額との差額を利用した「錬金術」という動きも発生しました。これは、1品298円(税込327円)均一の焼き鳥チェーン・鳥貴族で起こったもので、夕食の席を予約して1品だけ頼み、会計すれば利用者に673円の儲けが出ることからSNSを中心として騒動になりました。これを受け、農林水産省は「付与ポイント以上の飲食が必要」という新たなルールを設定しています。

一方、回転寿司チェーンのくら寿司は「無限くら寿司」と銘打ち、実質ほぼ無料での飲食を容認するマーケティング施策を打ち出して大きな話題を集めています。このように制度をうまく利用することで、デメリットをメリットに変えることもできそうです。

まだ間に合う!「Go To Eat」の参加条件は?

前述したように、「Go To Eatキャンペーン」は飲食店にとって多少のデメリットも含んでいるものの、冒頭で紹介したように利用者の関心は非常に高まっています。期間限定とはいえ、飲食店が従来リーチできていなかった顧客層にも訴求できるという点で、チャンスと言えるでしょう。そこでここからは、キャンペーンへの参加条件について解説していきます。

「Go To Eatキャンペーン」に参加できるのは、日本標準産業分類「76 飲食店」に該当する飲食店のみです。店内飲食をメインとする店舗が主な対象となっており、宅配ピザなどのデリバリー専門店、持ち帰り専門店(テイクアウト専門店)、移動販売店舗(キッチンカー)、カラオケボックスなどは対象外です。また、「76 飲食店」であっても、「接待・遊興」を伴うキャバクラやショーパブ、ガールズバー、ホストクラブ、スナックなどは対象外となっています。

さらに、ガイドラインに基づいた感染予防対策に取り組んでいることが条件となっています。手指消毒用の消毒液を設置するほか、「換気」「声量」「三密」を意識すること、客同士が最低1メートル空くようにテーブル・座席を配置することなどが盛り込まれています。詳しくは農林水産省の特設サイトをご確認ください。

その上で、キャンペーンに参加するためには、「ぐるなび」「食べログ」「Yahoo!ロコ 飲食予約」といったオンライン飲食予約事業者に登録する必要があります。どの事業者に申し込んでもキャンペーンには参加できますが、手数料や入金頻度などはそれぞれ異なります。詳しくはこちらも特設サイト内で確認しておきましょう。

ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた経営戦略構築の機会に

飲食店にとって大いにメリットがある「Go To Eatキャンペーン」ですが、前述したように、「プレミアム付食事券」「ポイント付与」とも2021年3月末までの期間限定のキャンペーンです。そのため、コロナ禍が長期化する可能性も見据えたうえで、店舗継続のためのブースターとして活用するのが良いでしょう。

最近では、店内飲食に加えてテイクアウトやデリバリーを導入している店舗も少なくありません。そのため、例えば「Go To Eatキャンペーン」を、テイクアウトやデリバリーの主力商品の“お披露目チャンス”ととらえ、今後の展開へつなげるといった戦略などが考えられます。

また、オンライン予約の普及と足並みをそろえて、非接触型の決済にシフトしていくのも選択肢のひとつです。とりわけ、事前決済の環境を整えておくことは、決済まわりの業務効率化だけでなく、無断キャンセル(ノーショー)対策にも非常に有効です。

Samuraiでは、このようなニーズにも対応できる決済ソリューションとして「Samurai Order」をご提供しています。ご興味のある方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。