私たちが日常的に利用している、PASMOなどの交通ICカードやおサイフケータイ。これらは、カードや携帯電話を専用端末にかざすだけで決済や通信が可能です。カードや携帯電話端末一台で、改札を通り抜けや買い物、食事の決済をすべて済ますことができるこのシステムを支えるのは“NFC”と呼ばれるもの。

NFCとは、“Near Field Communication“の略で、10㎝ほどまでの至近距離のみに対応した近距離無線通信の規格です。

日本国内では、このNFCの技術をベースに、独自のセキュリティ機構や通信速度などの改良を加え“FeliCa”と呼ばれ幅広いシチュエーションで利用されています。

近頃、Apple社のiphone8/Xが日本向け企画である“FeliCa”に対応したことが話題になりました。今回はこの“NFC”と“FeliCa”の違いについて深堀し、この二つの違いをまとめていきたいと思います。

NFCとFeliCaの規格は世界or日本

NFCにはTypeAやBなど複数の規格があり、これら全てを包括しています。一見違うものに見えるNFCとFeliCaですが、実際はFeliCaがNFCの中の規格の一つというのが正しい見方でしょう。

TypeAはオランダの企業が開発し、安価な生産が可能なため世界で最も広く普及しています。日本ではタバコを購入するための“taspo”に使われています。typeBは米国のモトローラが開発。セキュリティのレベルが高く、日本では“マイナンバーカード”や“運転免許証”などに採用されています。

TypeFはソニーが開発し、さらに独自のセキュリティ機構を盛り込んだものが“FeliCa”と呼ばれ、PASMOやおサイフケータイなど日本国内で幅広く使われています。FeliCaの語源は、至福を意味する英単語の「Felicity」と「Card」を組み合わせ「至福をもたらすカード」という意味が込められています。

ちなみにFeliCaは過去に国際規格(ISO)に申請をしたものの、近距離無線企画の乱立を防ぐために承認されなかった経歴がありますが、その後FeliCaと上位互換性がある方式がNFCTypeFとしてISO規格化されました。

FeliCaのベースとなる技術はNFCなので、一見互換性があるように見えますがフルに互換性があるわけではなく電子マネーの残高確認はできても決済ができないなどの制約が出てきます。

国際規格と日本規格の違いは?

続いて国際規格であるNFCtypeA/Bと日本規格であるFeliCaの違いを見てみましょう。

最大の違いはその通信速度。NFCtypeA/Bの最大通信速度は424kbps。もともと少額の決済やNFC対応機器同士での小規模な通信での利用が想定されています。

一方FeliCaの最大通信速度は847kbps。もちろんリーダーやライターなどの機械によってスピードは上下するのであくまで参考値ですがTypeA/Bに比べ倍近いスピードを誇ります。

Suicaを改札にかざした時の処理速度は一瞬ですが、もし2秒も3秒も時間がかかっていたら朝の改札は大渋滞になってしまいます。この通信速度により、FeliCaはJRに正式採用され、Suicaが誕生したのです。

すべてに互換性が生まれる兆しあり!

海外ではあまり一般的ではなかったFeliCa搭載端末ですが、その垣根を超えたのはiphoneでおなじみのAppleでした。

iphoneの日本での販売台数やFeliCa規格の性能的優位性などもあり、iphone7日本国内向けモデルではFeliCaをサポートし、Applepayサービスもスタート。

さらに、iphone8/X及び最新のAppleWatchは世界標準モデルでもFeliCaを標準で搭載しています。今後の後継機種も対応が予想され、その他のメーカーもこの流れに続く可能性があり、数々のグローバルモデルでFeliCaに対応した端末が出てくるかも知れません。

2020年東京オリンピックの際には膨大な数の外国人旅行者が押し寄せることでしょう。その際に、外国人旅行者が手持ちのスマートフォンでSuicaやPASMO、おサイフケータイを使えるようになるかもしれません。全世界がNFCTypeFへの対応に向けて動き出しているのでしょう。さらにリーダーやライターの性能が向上していけば、規格の垣根無しに通信や決済が可能になるかもしれません。

FeliCa / NFC について

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