多くの仮想通貨が存在する中、ビットコインやリップル次いで時価総額の高い仮想通貨「イーサリアム」が注目されています。2018年2月時点で時価総額は3位。「スマートコントラクト」と呼ばれる契約の自動化が可能なプロトコルに大きな期待が寄せられています。ブロックチェーンの技術を活用し、特異な機能を持つイーサリアムについてご紹介します。

イーサリアムとは

イーサリアム出典:https://www.ethereum.org/

イーサリアムは、通貨単位ETH、2014年7月に取引が開始された仮想通貨(内部通貨はEther)であり、分散型アプリケーションプラットフォームです。考案したのは当時19歳のVitalik Buterin氏で、彼は現在もイーサリアムの開発に関わっています。
2018年2月現在の価格は、1ETHあたり10万円前後となっており、その利用者の多さからほとんどの仮想通貨取引所において取引を行うことが可能です。ICOにも利用されている通貨のため、今後も上昇する可能性があります。

ビットコインと異なるポイント

ビットコインとイーサリアムは同じ仮想通貨で、分散型ネットワークのブロックチェーンを用いたものですが、開発目的が異なります。
ビットコインは決済・送金目的のプラットフォーム。イーサリアムは、ブロックチェーン技術を使用することで、自由にアプリ・サービス開発ができるプラットフォームとして登場しました。

イーサリアムは決済プラットフォーム以外に、サービス・アプリ開発目的の分散型アプリケーションプラットフォームとしての価値があるため、時価総額はリップルに抜かれたもののビットコインに次いで大きく成長したと考えられます。

イーサリアムのアプリ・サービス開発例

イーサリアムの開発目的である分散型アプリケーション(DApps)とは、ブロックチェーンの上で管理者の指示なく自動で動作・配置できるアプリケーションのことを指します。イーサリアムは、この機能を持った多種多様なアプリケーションのプラットフォームとなることができ、そこで行われた取引情報やデータを記憶することもできます。

例としては「仮想仔猫」、「クリプトキティーズ」と呼ばれる仮想仔猫を育成し取引するゲームです。イーサリアム上で提供され人気を博しています。イーサリアムのブロックチェーン上で仔猫を育てるために、外部からのデータの改造などができず、どんな猫に育つかは運次第の部分も。そのため、良いデザインの猫には希少価値が付き、高値で取引が行われています。

スマートコントラクトとは

スマートコントラクトとイーサリアム

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で契約をスムーズに行うプロトコルのことです。イーサリアムはこれを導入しており、イーサリアム上で契約が設定されると、それが完了するまで一連のプロセスが全て自動で行われます。

スマートコントラクトのメリット

スマートコントラクト技術は、プロセスが自動化された結果として外部から介入する余地がなく、契約内容の改ざんなどを防げるといった効果があります。そのためセキュリティの面で極めて優れており、安全な取引が可能です。
また、人を介さないプロセスであるため、決済期間が短い、コストが安いといった効果もあり、これを用いればさまざまな場面において効率化が図れるとして注目を集めています。
ビジネスの取引で、迅速に処理したい場合や人員を割かないよう進めたい企業にとっては、注目すべきものでしょう。また、アプリ開発を検討中であれば、プラットフォームとして活用できそうです。

イーサリアムを元に作られた仮想通貨

仮想通貨のなかでも影響力の大きいイーサリアムですが、そこから派生した仮想通貨があります。こちらもスマートコントラクト機能を持っているため、イーサリアムの活用を検討しているのであれば、注目しておいて損はないでしょう。

イーサリアムクラシック(Ethereum Classic)

イーサリアムクラシック出典:https://ethereumclassic.github.io/

イーサリアムクラシックは、DAO事件をきっかけにハードフォーク(技術改善・変更)のもと作られた仮想通貨です。
事件の原因となったDAOはイーサリアムを応用した暗号通貨でした。しかし、ハッカーによって盗難されイーサリアムの価格も一時暴落。DAOのプログラムに問題が発見されたものの、その後の対応について社内が分裂。結果としてイーサリアムクラシックができました。

基本的なシステムは全てイーサリアムと同じものであり、機能に違いがみられるようになるかは今後の開発次第となります。

オーガー(Augur)

出典:www.augur.net/

オーガーは、イーサリアムのスマートコントラクトプロジェクトから生まれた市場予測プラットフォームです。未来に起きるイベントに対しお金を賭け、実際に結果が出た際は正解者に報酬が払われるという賭け事を、ブロックチェーンを利用することによって作成することができます。また、未来を予測してお金を預けるという点から、保険などへの応用も期待されています。

複合的な技術で進化する仮想通貨

ブロックチェーンだけではなくDAppsで生まれる新しい暗号通貨や、スマートコントラクトなどの技術進化によって、承認スピードの向上や安全性が高められる未来がきています。中央管理者や仲介者がいないだけで、今後も仮想通貨市場やアプリ・サービス開発のプラットフォームが活性化するでしょう。