ビットコインをはじめとする仮想通貨の取引を支える、分散型台帳技術のブロックチェーン。モノをインターネットにつないで膨大なデータを取得できるIoT。どちらも近年実用化され発展途上にある技術ですが、両者は親和性があり組み合わせれば高い相乗効果が得られます。ブロックチェーン技術を活用したIoTソリューションについて、活用事例や将来像についてご紹介します。

ブロックチェーンとIoTの相性の良さ

IoTは、街の設備やモノをインターネットに接続しネットワークを構築。そして、IoTデバイスに搭載されたセンサーを通して膨大なデータを収集できます。しかし、データの管理には多大なコストが必要です。一か所に負荷がかかる従来の中央処理型のデータベースでは、膨大な量のデータを一括管理するために高い能力が必要とされ、コストがかかる要因となっていました。そこでカギとなるのが、ブロックチェーン技術です。

せっかくIoTデバイスの普及で多様なデータを取得できても、情報処理の負担や管理が追い付かないのでは意味がありません。ブロックチェーンは分散型のシステムであるため、ひとつのサーバーに負荷をかけず、データを分散させて管理できます。また、前後のトランザクション(取引データ)の暗号化や整合性のチェックなど、高い耐改ざん性も備わっておりセキュリティ面も申し分ないです。

IoTの膨大な情報を安価で管理できるブロックチェーンは、IoT業界の発展に期待されています。

【活用①】宅配ボックス

概要/背景

GMOインターネット、GMOグローバルサイン、セゾン情報システムの3社は、IoTとブロックチェーンを利用した技術の共同開発と実証実験を行いました。実験内容はWEB通販サイト「カエルパルコ」で購入した商品の受け取りに、IoT化した宅配ボックスを用いるというもの。

宅配ボックスにセンサーを取り付け、入庫や出庫の情報を収集。GMOが運営するZ.com Cloudのブロックチェーンで管理できるようにしました。商品配達の記録、ボックスの施錠や受け取り時の本人確認、開錠にブロックチェーンを利用することでセキュアな環境の確保に成功。スムーズな取引や決済を実現しています。

期待されること

このシステムが普及すれば、宅配サービスに大きな負荷をかけている再配達を防止し、配達コストを低減できます。また、受注記録から配送先の個人使用に至るまでを一貫して管理できるので、配達業者による誤配達やヒューマンエラー防止に役立ちます。

【活用②】Slock.it(スロックイット)

引用:https://slock.it/

概要

Slock.it は、ドイツの同名のスタートアップ企業が考案した、シェアリングエコノミーサービスです。ブロックチェーンとIoTを活用し、第三者の介入なしにIoT化されたロック機能を操作。家電や自転車のシェアを自動化します。

また、イーサリアムのブロックチェーンを活用しており、契約の自動化、可視化を伴う「スマートコントラクト」で安全でローコストな運用が可能です。契約に伴う費用の支払いは、仮想通貨「Ether」を使用。保証金の支払いや鍵の開閉要求は、基本的にアプリケーションを通して行われます。

期待されること

Slock.it は、ビジネスエコシステムとしてシェアサービス系のプラットフォームを提案しました。このシステムを用いれば、自動車、自転車のインフラ系のシェアや民泊のような宿泊サービスなど、モノの共有を容易に管理・可視化ができます。企業や消費者が持つ資産をシェアサービスとしてビジネスに活用できる、安心安全な仕組みづくりでビジネスの多様化に期待できるでしょう。

IoTデータはブロックチェーンで有効活用

IoT機器の導入によって膨大なデータが収集可能となりましたが、取得できたデータを有効に活用しなければ意味がありません。先に述べたブロックチェーン技術で負荷の分散、オペレーションコストの削減、システムの安定化、IoTセキュリティの強化など、従来システムの弱点を補えます。

また、ブロックチェーンの開発とともに提唱された「スマートコントラクト」に取引を任せることで、手間とコストも大幅に削減できます。第三者の介入がないブロックチェーンやスマートコントラクトのシステムをIoTと組み合わせれば、時間や場所にとらわれない取引契約のインフラとして、大きな価値を持つことになるでしょう。